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ヘッドホン聴き比べ [レビュー]

 以前やったことがあるような気がしないでもないですがこんなことを。意外と言葉にするって難しい、なんて考えながらやっていたらかなりの時間がかかってました。こういうのはあまり向いてないのかもしれませんね・・・。書きながら自分で混迷してました。


 
 環境はいつも通りですが、途中真空管が変わっていたりやる気が変わったりとか主観バリバリ+機種ごとの好みによる補正が入っています。ということでこんな意見もあるんだな、という感じで見てください。楽器名の横にアバウトな括りが入ってるのもありますが、それも交えて聴いた、という感じです。また、あくまでその楽器単体で見た場合なので曲調によっては合わないことも普通にあります。この楽器はこんな感じで聴こえる、という感じです。




ピアノ(クラシック)

MS-2:アタック感、硬さの表現が上手い。また輪郭が非常に明確。人によっては硬すぎると感じるかも。低音は抜けるためやや重さが足りない。響きはそれほど残らず、一音一音がはっきりとしている。表現としては軽やかに鳴らす。

DT880PRO:響きをしっかりと残し、そのため輪郭はやや曖昧。鍵盤の重たさの表現がこの中では最も上手い。音に迫力があり、実体感がしっかりと出る。傾向自体はあっさりめで、この機種自体の色がさほど出ない。

DJ1PRO:とにかく明るい。というか明るすぎる。暗さを微塵も表現する気がないので仕方ないですが。音の硬さが悪い方向に出てしまいおもちゃっぽく感じてしまう。また重さの表現はいまいちで、響きが多いがおもちゃっぽさをより感じさせる。

HD380PRO:かなり味付けの濃い表現。重さの表現がしっかりと出来ている。響きは多いが輪郭はそこそこ明確で、あくまではっきりと聴かせる感じ。かなり濃い音なので好みは分かれると思うが、はまる人にはとことんはまると思われる。


自分の好みだとMS-2が最も良いです。はっきりくっきりな音なので。普遍的な良さならDT880PROかと思います。癖がなく、粗さも綺麗さも上手に表現してくれるのでどんな人にも勧められます。HD380PROはとにかく濃いです。個人的にはピアノが最も得意ではないかと思っています。DJ1PROはおもちゃっぽくなるのが難点。やっぱりですが使い分け前提です。



ヴァイオリン(弦楽器)

MS-2:きれいに澄んだ音色。明るく鮮やかで楽しく聴くことができる。スカッと抜ける気持ちよさが気持ちいい。高音になるとかなり硬さが気になるかもしれない。

DT880PRO:線がやや細く、どちらかというと繊細な鳴り方。木の湿り気を感じさせるような温度感で、落ち着く。音色はやや硬め。

DJ1PRO:やっぱりだが不自然。音色としては木というよりはプラスチックといったところ。鮮やかさはなかなか良いが、生っぽさが微塵も感じられないのが辛い。

HD380PRO:響きの多さが目立ち、輪郭の曖昧さが目立つ。高音になればその違和感は若干落ち付く。細かいニュアンスがあまり感じられず、ただなっているだけのように聞こえる。


澄んだヴァイオリンの音を求めるならMS-2が最も良いです。明るく鮮やかな割に生っぽさというか聴いたうえでの違和感が少なく、楽しく聴けます。DT880PROは楽器としての音を最も上手く表現しているかと思います。DJ1PROはやっぱり生っぽさが足りないです。もっともDJ1PROを買う人で生楽器メイン、という人はそうはいないと思いますが・・・。HD380PROは単体で聴くとさほど不満は出ないのですが、比べてしまうとやはり辛いです。



トランペット・サックス(金管楽器)

MS-2:基本的には硬め。鮮やかで非常に抜けがよい。まさしく金管を鳴らすためにあるかのようで非常に相性がよい。落ち着いたサックスもメリハリがしっかりと付いているので良い感じ。サックスもトランペットもいける。

DT880PRO:金属的で硬い。線が高音に行くにつれ細くなるので一気に高音まで行ったときにはかなりきつい。基本的には落ち着いた音色で適度な刺激がアクセント。トランペットよりはサックスかなと。

DJ1PRO:適度な硬さ。上2つよりは柔らかい。線はやや太めで、金属的な感じはそこそこで、かなり鮮やか。トランペットで一気に吹き上げる際の気持ちよさはかなり良い。金管楽器では違和感はかなり少なめ。明るくしてほしい曲ならかなり良いかと。サックスよりはトランペット。

HD380PRO:やや柔らかめ。金属的な硬さはあまりなく、音のきつさもそれほどない。鮮やかさはそれなりで、何とも言えない抜けの悪さがすべてに乗る。単体で聴くとそこそこだが抜けがよくないので気持ちよさには欠ける。


曲調によりますがMS-2が最も楽しめます。とにかく聴いていて違和感なく楽しめる、という点がよいです。DT880PROは悪くはないですが積極的に選ぶ理由にはならないように感じます。自分の好みとしてブラス系統は線が太いほうが好み、というのがあるからかと思いますが、少し繊細になりすぎるように感じます。なかなか使いどころに困るDJ1PROですが、金管楽器は明るさ、鮮やかさがマッチするので結構合います。さすがに暗い曲にまで行けるとは言いませんが、篭り感の少なさもありなかなか気持ちの良い抜けを感じられます。HD380PROはすべての楽器が均一です。悪くはないんですが良くもないという。鮮やかさか抜けの良さがもう少しあればだいぶ良くなるかとは思うのですが・・・。



ギター(アコースティック)

MS-2:金属的な鳴り。エッジが立ち、非常に切れが良くとても気持ち良い。ただ柔らかさ、甘さの表現はいまいち。耳元で音場が展開されるのもあり非常にじゃかじゃか鳴る。それをどう感じるか、で評価が変わってくるかと。

DT880PRO:エッジがマイルドで柔らかい鳴り。響きがそこそこ多く、アコースティックな甘さがよく出ている。最もそれっぽいのがこの機種。

DJ1PRO:エッジのきつさはそこそこ、響きは多くもなく少なくもなく。他の機種と比べると不自然さが目立つが、単体で聴く分には明るさ、鮮やかさで楽しめる。

HD380PRO:エッジはまろやか。この中では最も柔らかい。響きは少ないがそれなりにメリハリが付いている。聴いていて特に不安が出ない。


アコースティックらしさはそれほどないがとにかく気持ちよく聴けるMS-2、アコースティックらしさがしっかりと出ていて味わって聴けるDT880PRO、派手派手で生音っぽさがさっぱりだが楽しく聴けるDJ1PRO、普通なHD380PROというところでしょうか。自分はギターがメインの曲は気持ちよく聴きたい、ということが多いのでMS-2をよく使っています。若干きつく感じるところもありますが、涼しく聴けるので。例によってDT880PROは生楽器らしさがうまく、DJ1PROは過剰な明るさ、鮮やかさが今回はプラスに働いた感じです。HD380PROは変な癖が特になく、何とも安心する音です。この楽器では鳴らし方の違いこそあれど、どれもなかなか上手く鳴らすことができると感じました。



シンバル・ハイハット

MS-2:かなり金属的な鳴り方。非常に抜けがよく、澄んだ響きを出す。鮮やかだが、極端に派手ではない。シャリついたりキンキンしたりはしない。

DT880PRO:若干シャリつく。音源によっては刺さりがやや気になるかもしれない。エッジが細くとがっていて鋭く、響きはやや多い。MS-2と同じように金属的だが比べるとこちらのほうが粒子の細かい金属的な感じ。

DJ1PRO:金属的な感じはそれほど無い。抜けは悪くないが若干つぶれたような感じが気になる。響きは少なめだが切れが良い、とは特には感じない。非常に明るく鮮やかで、音のバランスから結構目立つ。

HD380PRO:金属的な感じは少ない。響きはさほど残らず、シャリつき等はない。エッジがマイルドで鮮やかさも控えめなので地味。抜けも悪いので気持ちよさ、という点では駄目。


MS-2が最も好みです。金属的でなおかつ上にスカッと抜ける、という点で頭一つ抜けています。ただ刺激がなかなか強いので好みが出ると思います。DT880PROも刺激は強めです。細くとがった感じがするのでそこをどう感じるかだと思います。ちなみにMS-2とは刺さる帯域が違うので、人によってどちらがきついかというのは変わると思います。DJ1PROは抜けはそこそこで底抜けに明るいです。生々しさはそれほどでもないですが楽しむならあり、と感じます。HD380PROは地味。他の機種がドンシャリぎみというか高域の刺激が強めなので相対的にかなりマイルドに感じられます。。表現は普通で取り立てて言うことがない、といった感じです。普通に聴くには不満は出ないと思いますが、刺激が欲しいと感じるかと思います。


女性ボーカル

MS-2:明るくハキハキしている。艶っぽさ、柔らかさの表現もなかなか悪くないがそれよりはすっきりと抜ける高音を楽しむべきかと。明るく鮮やかにする方向だがかなり自然。ピークが気になることもあるが基本的には万能。

DT880PRO:落ち着いていてしっとり。落ち着いた物がよく似合う。この中ではブレスがもっともエロいと思われる。明るいボーカルはあまり明るく表現してくれないので大人な物に合わせるのがお勧め。

DJ1PRO:かなり明るく鮮やか。そのせいかどれも無機質になる。細かいニュアンスや生々しさが無くなるのでそういったものが必要ない曲に。Perfumeがかなりしっくりくる、という感じで想像してもらえれば。

HD380PRO:上が詰まる。ので暗めのボーカルのほうがまだ合う。ただ妙な響きが乗るので無駄にエコーがかって聞こえる。塗りつぶしたようなのっぺりさがあるので生っぽさ等もさっぱり。


HD380PROは無かったことに・・・。MS-2は自然な表現ながら明るく鮮やかで、元気のよい曲にはもってこいな感じ。DT880PROはMS-2であまり合わないような物にほぼ対応できます。DJ1PROはave;newとか専用ですが、音色で選ぶのはあり。正直なところMS-2とDT880PROで9割以上のボーカルをカバーできている気がします。この2つは万能なので全体的なバランスがいいんですよね。




 と、こんな感じになりました。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。正直なところMS-2とDT880PROは音色が気に入れば双方とも若干の欠点はあるものの、どのジャンルもいけるので使い分けなくても結構頑張れます。もっともこの価格帯のヘッドホンを買っている時点で頑張ろうという人は少ないと思いますが・・・。ここでさっくりとまとめを。


MS-2:明るく硬めでオールジャンルいける。硬くて抜けの良い音が好みの方へ。
DT880PRO:刺激はそれほど。生っぽさを求める&重たい音が好みの方へ。
DJ1PRO:生楽器は聴かない、明るく鮮やかなヘッドホンという方へ。できれば試聴を。
HD380PRO:音への脚色が多いのは嫌、という方へ・・・かな?


HD380PROは良さがあまり分からなかったので・・・。MDR-7506を持っている人がいるのでモニター用とはどんなものなのか借りて聴いてみようと思います。もしかしたらゼンハイザーの音が合わない、とかかもしれないので。しかし本当に置物になってる・・・。さてさてどうしたものか。


 最近ネタがないのでもしかしたらイヤホン編もやるかもしれません。と思ったのですが意外と使っているものがヘッドホンより少ないので無しです。元気もないですし・・・。しばらくは違うネタで頑張ります。ではでは。
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コメント 7

うぐぅ~

なんか面白そうな事やってますねw

僕もやってみようかなー・・・。
by うぐぅ~ (2009-08-17 17:46) 

お米2号

>>うぐぅ~さん、コメントありがとうございます

記事を書くために聴いているときが一番楽しかったです。書くのは骨でしたがw
うぐぅ~さんの手持ちだとバラエティ豊かで面白そうです。期待させていただきます~。

by お米2号 (2009-08-17 21:59) 

セラミック

自分は二つほど手放してしまいましたが
MS-2後DT880PRO時々DJ1PROって中々バランスいいですね~
特に前二つはオールマイティさを持ちながら楽しく聴けますし。

加えるとしたらもっとバランスずれたもの、音圧の強いもの
もしくはかまぼこ・・・・・・あっHD380PROがあったw
by セラミック (2009-08-17 22:26) 

お米2号

>>セラミックさん、nice&コメントありがとうございます

問題はバランスが良いため次に追加するもののハードルがかなり上がってしまうことですw。好みを考えると一つは決まっているようなものなのですが・・・。

HD380PROは・・・。価格帯が違ったからということで・・・。篭りが嫌いなのに密閉型を買った自分があれですが・・・。
by お米2号 (2009-08-18 01:29) 

つきじ

なんか流行ってるっぽいw
真似しようかな・・・・
こうして見るとDT880PROが欲しくなります
by つきじ (2009-08-18 23:51) 

お米2号

だが流行させられるほどこのブログを見ている人はいない!(マテ

DT880PROは適度な刺激がよいですよ~。ただDT990PROを持ってるつきじさんだと差をどう感じるかですね。
by お米2号 (2009-08-19 00:19) 

お米2号

>>ab-ovoさん、niceありがとうございます
by お米2号 (2009-09-20 20:51) 

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